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紅茶サイト Tea for Life別館

紅茶サイト「Tea for Life」のブログ部門です。 紅茶ニュース、商品レビュー、紅茶専門店レポなどをお届けします。 Tea for Lifeは紅茶をカジュアルに、もっと身近に楽しむ事を目指しています。
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夏休みの自由研究 レモンティーの謎 Pert1

もうずいぶん寒くなってしまいましたが、夏に発売された紅茶レモネードについて調べている時に気になった事がありまして、夏ごろからちまちま調べておりました。
このレモンティー…というかtea with lemonというメニューは、一体いつ頃登場したのでしょう?
色々なページを巡ってみたものの、出典があまりにもバラバラで追う事ができませんでした。
 
どうやら、日本に入ってきたのはアメリカの農業組合からの紹介という線が濃厚そうなのですが、世界でいつ頃考案されたか、となるとちょっと疑問です。
アメリカで採れ過ぎたレモンを絞って入れたという説が多数派のようですが、
イギリスでの呼ばれ方やアメリカの歴史を考えるとなんか腑に落ちないところも…というわけであれこれ調べてみました。
common5.jpg

①レモンティーはアメリカが起源で、イギリスでは飲まれない説
こちらはルピシアだよりより。
 
「いずれにしても、レモンティーの起源はアメリカ。なので伝統と格式を重んじる英国では、「レモンティーは・・・」という考え方が強まったようです。」と書かれており、
レモンティーの起源はアメリカだと言いきってます。
”「レモンティーは・・・」という考え方”って何を言いたいのか具体的な記載がありませんが、あまり好まれていないと受け取っていいですかね。
 
この記事の信憑性は、その下に書かれている「紅茶本来の風味を大切にするルピシア」の信頼度と同じくらいと考えでいいでしょうか?
 
 
②イギリスにもレモンティーがちゃんとある説
一方でイギリスにもtea with lemonのメニューがある事は知られています。
こちらは「ロシアンティー」と呼ばれており、ヴィクトリア女王がロシアを訪問した際に出されたロシア式紅茶に由来しています。
 
 
というわけで
少なくともイギリスにはロシア経由でtea with lemonが入ってきています。
なお、ここに登場するヴィクトリア女王の孫娘とは、ニコライ二世の皇后アレクサンドラとなるため、訪問時期としては1894年~1901年の間、イギリスに広がったのはその後となります。
アメリカでレモンティーが飲まれていたことが確認できる時期のほうが20年ほど早いようなのですが
現在「ロシアンティー」の呼び名で定着している事を考えると、ヴィクトリア女王が飲んだというインパクトの方が大きかったのではと推測できそうです。
王侯貴族が伝播の由来となった他国のものを「邪道」なんて言うかな?
(そもそも他国の様式なので邪道・王道を議論するほど身近なものでないのでは?という意味も含め)
 
また、ロシアにはアメリカを経由して伝わったなんて説もありましたが、ヨーロッパを経由せずロシア→アメリカへの伝播となるとカナダ・アラスカを経由する事になります。
アメリカの開拓が西海岸まで到達するのは1860年代なので年代的にはあり得ますが、経済的な事を考えると大西洋経由のほうが人や情報の往来が激しいはずだし、やや不自然な気が…
そんな事あるものなのかな??
 
いずれにしても「アメリカ起源だから敬遠されている」というのは疑問符が付くんじゃないかと。
「ロシアンティー」なんですから、ロシア式という認識のはずでは…?
 
 
 
③世界で初めてのアイスティーレシピによると1879年にはすでに紅茶にレモンを入れている
1879年に出版されたレシピ本に、世界最古のアイスティーのレシピが掲載されているようです。
本の名前は「Housekeeping in Old Virginia」アメリカにて出版。
これが本当なら万博で初めてアイスティーが登場したという話も覆りますね。
で、ここに「A squeeze of lemon will make this delicious and healthful」という記載があり、レモンを入れると美味しくて健康的になると紹介されております。
 
おっとっとレモンティーを調べていたのに思わぬ副産物が。
 
 
④レモンとレモネードの発祥地から考える
レモンの歴史はかなり古く、西洋の果物だと思われがちですが原産はインドのヒマラヤ地方(アッサム州という噂も)と言われております。
その歴史は相当古く、10世紀にはヨーロッパに広まり、11世紀には食用にしていたようです。
レモネードは16世紀にフランスで始めたのが最初と言われておりますが、原型のようなものは11世紀のエジプト、あるいはさらに東の国にあるのでは、とも言われているようです。
 

⑤レモンティーの起源は中国である説
これはこちらより。
 
ロシアは世界の中でもレモンティーを愛飲する国であり、その起源は中国にある、との記載が。
他の出典が見つからないので正誤は不明ですが
 
日本では、レモンティー=アメリカ というイメージだけれど
アメリカではレモンティー=ロシア のイメージが強いっぽい?
 
そしてロシアは中国から茶を輸入していたので、レモンティーもそこから伝播したのでは…という思考なのかな。
ただしその後の中国では、お茶にレモンを入れている様子はない…
 
 
 
今のところ調べられているのはこんな感じ。
 
 
夢を含めてこんな仮説を立ててみました。
 
 
仮説1.「レモンティー=アメリカ」ってのは日本独自のイメージなのでは?
昔の人がアレンジティーに挑戦していなかったとは考えにくいし、アメリカ発祥より前にどっかで飲まれててもも不思議はないかなと。
個人的にはトルコとか、イスラム圏のお茶文化がどんなものなのかもっと知りたい。
あとロシアではいつ頃からレモンティーが飲まれていたのか、
そもそもロシアのお茶の歴史はどのくらい前から始まってるのかという点も。
中国と陸路で取引してたしヨーロッパ最古でしたと言われてもおかしくないような。
今のところイギリス・アメリカ目線の歴史資料は豊富にあるけど、イスラム・東欧は文献とか非常に少ないので、その辺の歴史を調べないと「レモンティーはアメリカが発祥です」なんて断言できないんじゃないかな。
 
 
仮説2.イギリスでレモンティーがあまり飲まれないのは、単にミルクティー飲んでるからじゃね?
何が言いたいかというと、レモンティー敬遠は習慣的なものであって、他国発だから、みたいな排他的な理由は無いんじゃないかな?と
日本で「あなたは緑茶に砂糖入れる?」って聞いて、「日本では緑茶に何も入れないのが普通だよ」と返事されたようなものなんじゃないかと想像してみる。
 
 
仮説3.フレーバーティーの起源から考えるロシアンティー
お茶への着香の歴史は、南方で採れたお茶を陸路で届けている最中に風味が落ちてしまったのをカバーするため、花や果実の香りでごまかしたのがはじめという説があります。
もし風味が落ちてしまっているなら、アレンジティーのはじめもここにあっていいのかなと思わなくもない。
これなら、中国ではレモンティーはあまり飲まれないけど、ロシアまで茶を運んですっかりくたびれてしまったお茶にレモンを入れて風味を補ったと考えられる気もする。
根拠は何もない。
 
 
あくまでも思いつくまま。
うん多分広く言われてるほうが正しいんだと思いますよ、なんの確証もなしに言ってるわけじゃないんでしょうから。
なのでPert2があるかどうかは思いっきり不明ですw
でもまた気が向いたらまた色々調べてみたいところです〜(´∀`*)
 
Comment(4)
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無題
こんにちは!
ちょうど季節のお茶会のテーマとかぶる部分もあり、大変興味深く読ませていただきました^^
イギリスのミルクティー文化にはレモンはあまり・・というのに一票です^^
ロシアは紅茶や緑茶もよく飲みますが、ハーブティーやフルーツティー(ドライフルーツ使った)もよく飲むそうです。
なのでレモンティーを飲むのは、その嗜好に合っているのかなぁーと思います。
昔,生レモンはそうそう手に入るものではなかったでしょうから、レモン=高級のイメージもあり、定着していったのかなと思います。

私はコーヒーにもレモンを入れるとロシアに詳しい方にお聞きしてビックリしました・・・
レモン入りのコーヒーって!?
どんな味なのでしょうね…><
みーや URL 2012/11/27(Tue)17:50 編集
無題
みーやさん>
ドライフルーツを使ったフルーツティー、いったいどんなものなのか気になります。
聞いただけで美味しそう(´∀`*)
そしてコーヒーにもレモンですか!びっくりですね。
ロシアの食文化…興味津々です。

またレモンが高級品だからという説、なるほどです!
高級なものと高級なものの組み合わせ…紅茶に砂糖と同じですね^^
やな 2012/11/28(Wed)21:36 編集
さすがやなさん!
深い考察と、多角的な裏付けとりに感心して読ませていただきました。
イギリスの硬水で、レモンティー淹れてみて定着しなかった理由を確かめてみたいなーと思ってしまいました。
リプトンの授業では、硬度の違う水で淹れてストレートのとミルク入りのはあったけどレモンはありませんでしたもんね。
そもそもレモンティー好きじゃないから気にもとめてませんでしたが。
こうして読むと興味が湧いてきました。

個人的に一番掴まれたのは、最初の”「紅茶本来の風味を大切にするルピシア」の信頼度と同じくらいと…”のくだり、なんだ、みんなおんなじ事考えてるんじゃん~♪と大笑いしました。^^
Nemo 2012/12/09(Sun)21:38 編集
ありがとうございます
Nemoさん>
そうおっしゃっていただけると光栄です。
歴史は面白いですよね(´∀`*)ウフフ
そういえばレモンティーの講座ってなかったですね。
一度イベントでポンカン?か何かと紅茶の組み合わせを頂いたことがありますが、それはとっても美味しかったので
レモンに限らず柑橘+紅茶の特集とかあると面白そうかも〜…
私も気になって来ましたw
やな 2012/12/10(Mon)22:44 編集
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