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紅茶サイト Tea for Life別館

紅茶サイト「Tea for Life」のブログ部門です。 紅茶ニュース、商品レビュー、紅茶専門店レポなどをお届けします。 Tea for Lifeは紅茶をカジュアルに、もっと身近に楽しむ事を目指しています。
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結局のところ、茶葉の「酸化発酵」は酸化なのか?

何回聞いても、どんな本を読んでも、長年の謎でした
茶葉の「酸化発酵」。
結局酸化なの?発酵なの?どっち??
 
こちらの本にその辺書いてありました。
紅茶の保健機能と文化
 
結論からいいますと、酸化でいいようです。
 
基本的に「発酵」とは、酵母や微生物による変化のことで、
腐敗のうち、人間に有用なものを発酵と呼んで区別しているようです。
 
お茶の発酵だけやたら特殊なんですよね。
明らかに酵母や微生物による発酵じゃないものを「発酵」と呼んでいる。
何故か?
上記の本では、「思い込みによるもの」と説明しております。
 
当時、発酵の仕組みがようやく解明されてきたらしく、お茶が変化するのも微生物によるものだろう。と予測して、長い事「発酵」と呼んできた。
それが定着してしまって、酸化だと判明した今でも「発酵」だけ残っていると。
 
ふーむなるほど。なんか夢オチみたいで微妙に納得できないのですが、そんなもんかな。
 
 
現代になっても酸化が浸透しない理由のひとつに、「酸化」という言葉がもつイメージの悪さがあるんじゃないかと個人的には考えています。
錆びる、変色する、中には「体がさびる」という使いまわしまでありますが、「錆び」は金属の腐食のことであり、実際あんな錆びが付くとは思えないのに、イメージだけを植えつける危険な言い回しだと思います。
 
しかしまぁ、酸素によって引き起こされる変化を端的にあらわすのに「錆びる」がちょうどよかったんでしょうね。センセーショナルだし。
だから錆びない化粧品やサプリメントを買え、と繋げるのは悪質な商売だと思いますけど。
 
ちょっと調べてみても、酸化というのは実に多種多様である事が分かります。
例えば、ガスやマッチに火がつくのも酸化
私達が食べ物を消化するのも酸化。そのために酸素吸ってるんですもんね。
ホッカイロも酸化して発熱してるし、何も錆びたり変色したりばかりではないようです。
 
しかしここで疑問が。
お茶って抗酸化作用とやらを持ってるんじゃないのか?
つまりカテキンですね。
本当に酸化するの?
 
どうやらこのカテキン、紅茶になるとぐっと含有量が減るようです。
といっても、消滅するわけじゃありません。
カテキン+酸素で、テアフラビンという物質に変化しているようです。
これってどう考えても酸化・・・あれ?抗酸化??どういう事???
 
もう少し調べてみると、この秘密はどうやら「酸化還元反応」にあるらしいです。
よく仕事をした10円玉が黒ずんでくる=酸化銅になるというのは知られた話。
理科の実験などで、水素ガスに10円玉を入れてピカピカにするというものがあるようです。
あと、錆びた釘を炎に入れると元に戻るとか?これは経験ないのでググったのですが。
 
これは、10円玉や釘から酸素が奪われてしまうためで、
どうやら、酸化力(と言うのか?)が強いもののほうに、酸素は行ってしまうようです。
上の例なら水素ガスに酸素が奪われてしまい、水素+酸素=水になる。
酸化鉄も、酸素が燃焼に使われて鉄に戻ると。 
 
カテキンは非常に酸化されやすい物質
らしいので、酸化力が強いカテキンが代わりに酸化してくれることで、
体内の余計な酸素を引き受けてくれる=抗酸化作用 ・・・と、考えても誤りではないのかな?
抗酸化って、カテキンや茶葉が酸化しにくいという意味では無いのですね。
専門家ではないので間違いでしたらご指摘いただけると助かります。 
 
でもこう考えると色々繋がりました。
カテキンは酸化しやすく、茶葉を酸化反応させて紅茶にする
その過程で紅茶はカテキンを失い、テアフラビンを得る。
(実際はこんなに単純な話じゃないのでしょうけれど)

なので、「紅茶は茶葉が酸化したもの」と聞いても不安になる必要は無いという事です。
別に悪さをするわけではありません。むしろ有用です。
 
テアフラビンの抗酸化作用については、日本紅茶協会がちょっと触れてます
ミルクやレモンを入れて飲まれる事が多い紅茶は、なかなか効果について明らかにするのが難しいようです。
 
 
最後に、正真正銘の発酵茶について補足を。
菌類による発酵茶というものも存在します。代表的なのがプーアル茶です。
中国茶の分類でいうと「黒茶」の分類に入るお茶がどうやらそのようです。
日本でも、碁石茶という発酵茶が存在しています。
 
中国茶には、白、黄、緑、青、赤、黒と様々な種類のお茶があり、その中の黒が菌類による発酵茶なので、中国茶=発酵茶 ではありませんのでご注意ください。
 
なお、私は化学に暗いので、誤解、訂正、補足等ありましたらコメントかメールでお知らせいただけると非常に助かります。
 


 

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